無(最高の状態)/鈴木祐

読書

 科学論文オタクでサイエンスライターが膨大な神経科学・脳科学のエビデンスから人生の苦しみの原因と対策・トレーニング方法を解説されている。

 生き物全てが痛み(苦しみ)感じる。ところがヒトだけは、苦しみをこじらせる特殊な生体防御システムが備わっている。

 ネガティブな記憶(苦痛)は後まで残るがポジティブな記憶(快楽)は長持ちしない。それは、恐怖が外敵から身を護る行動を促すためであり、原始時代からネガティビティバイアスが働き臆病になるのが最適解であったからだ。

 苦痛を味わうのは分泌されたアドレナリン、ノルアドレナリンが分解される15分くらい(これが一の矢)人は一の矢を受けた後その苦痛(悩み)を反芻し二の矢、三の矢・・・と苦しみを増幅させ苦しみをこじらせる反芻思考がある。ところが動物は二の矢が無くこじらせないから、うつ病とか自殺とかは存在しない。

 苦しみをこじらせる特殊な生体防御システムを理解するのに「自己」という概念が重要となってくる。

 自己は心の統合機能であり、①人生の記憶②性格の要約③感情の把握④事実の知識⑤連続性の経験⑥実行と所有感⑦内面の精査を自動実行し現実をシュミレートし物語を作り思い込みで行動しており、全ての苦しみは自己の問題に行きつくからだ。自分を守る生理機能の集合体ともいえる自己は、生存用のツールボックス(スマホの機能設定アプリ群かな)とも言える。

 そして、脳には自動的に現実よりも物語を重視し思い込みで行動する自己がある。

 人は動物や外敵から守る知恵を獲得し安全性が増した現代では群の中でうまく生き残っていくため、他者とのコミュニケーションを上手くとり自分がどう見られているかを予測しながら生きている。

 元は我が身を守るための自己は出来事-体験-記憶から生まれるが、幼少期のトラウマや社会の世界観、日常のちょっとした出来事で歪んだ物語を作り、歪んだルール(悪法)で苦しみを生じさせる

 この悪法をどのように書き換えるかが苦しみに対する普遍的な対策なのだが、苦しみ(=痛み×抵抗)は真正面から抵抗すればするほど逆に威力を増してしまう。だから、現実を認め痛みを受け入れて抵抗しないことが必要となる。

 苦しみを作り出すネガティブな物語を浮かばないようにするためには、例えば禅問答のように意味不明なパラドックスや南無阿弥陀仏の念仏など短い聖句のリピートで脳を悩殺し思考停止(デフォルトモードネットワークの活動低下)や日常の炊事・掃除・呼吸などの作務に感覚を集中させるトレーニングも有効である。

自己に囚われない無我はあなたを

①永遠の初心者に変えます

②変化への限りない受容力を産みます

③圧倒的な自由をもたらします

 我を忘れ時間を忘れて遊びに夢中になっていたら日が暮れていた(人生が終わっていた)そんな人生を送りたいもんですなあ~

こうして本読んで理解してまとめて文章にしようと夢中になっている状態が無我なのかな?

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