お金の減らし方

「お金の減らし方/森博嗣」

 著者は工作、鉄道模型が好きなこの元大学助教授。庭園鉄道を作るため大学の仕事をしながらお金を作る方法として作家を選んだ、2週間睡眠時間を削り書き上げた「すべてがFになる」で作家デビュー。

 そして次々とヒット作を出し大学助教授しながら印税が毎年1億以上入る売れっ子作家になってしまった(アニメ「スカイクロラ」面白かったが、作者本人は金を稼ぐための手段で売れるように創作したそうだ、鉄道模型を作るために)。

 お金を増やすことには興味がなくお金を使って楽しい、面白いという満足を得ることが最終目標なのである。世間は誰か人に見せるためにお金を使っているように見えるらしい。

 お金は価値を交換するためのツールでお金そのものに価値があるわけでなくただの数字の記録。

 欲しいものにお金を使えばお金は減るが、欲しいものが手に入った満足感がお金以上であればお買い得、どんどんお金を減らして楽しい人生を送りましょうということです。

 この満足感は人それぞれ価値が違う、物の値段が価値を決めるのではない自分の欲求の大きさが価格を決める。

 お金を貯めてから、やろうとか買おうとか考えている人は、本当に欲しいものが無いかわかっていないらしい、お金を使うことが目的になってしまっている。

 そもそも、金持ちとか貧乏とか単なる生活スタイルの違いであって、どちらが偉いというこではない。人の目を気にせず好きなように生きればいいのである。

 作者は大学を辞め作家の仕事も1日1時間以内にし好きなことに没頭しているそうである(僕より年は1歳上)。

 他者に認めてもらいたい承認欲求でブランド品や高級車を買い求める人たちはたくさんいると思う。しかし、上には上がいてきりがなく、お金では幸せになれない。本当に欲しいもの満足感を得られるものがわかわずお金を使うことが目的化している。

 人の目など気にせず若い時にあった好奇心、ワクワク感というセンサーでピンと来るものを探し出し、手に入れるために時間とお金を作り出し楽しい人生を全うするためお金を減らしましょうということです。

 実用性が無くても、ランボルギーニカウンタックが欲しければ買ってしまえばいいと思う。意外と、リセールバリューが高かったり、車好きが見に来て交友関係が拡がったりして予想外の幸福感が得られるかもしれない。

 皆さんもこれまでの人生で何が楽しかったかと問い直しお金の使い方稼ぎ方を考え直してみませんか。