旅ログ”石山寺”

 石山寺は昔から交通の要所でもあり、奈良時代の747年に、聖武天皇(しょうむてんのう)の依頼により建立され、雷災(1078年)や戦火(1573年)で焼けたこともあったが平安時代、鎌倉時代、室町時代を乗り越えて1600年頃豊臣秀吉の側室淀殿の寄進で大改修がなされた。西国三十三所観音霊場の十三番札所になっている。

 現代なら京都から石山寺まで車で26km31分で行ける距離、平安時代の貴族は京から逢坂、打出浜から船で石山詣で、 安産・福徳・厄除・縁結のご利益がありということで女性に人気がり、紫式部を始め、古来より多くの文学者が訪れたそう。

 NHK大河ドラマ「光る君」で紫式部が注目を集め、今頃は紅葉が綺麗かもと友人達とホテルで待ち合わせ日帰りで遊びに行ってきた。

百人一首ランチ

 まずはホテルで優雅な百人一首ランチ(秋の宴¥3,900)をいただく。

 やっぱり、料理は器が大事だね、そしてボリュームは少なくて品数を多くして皿というキャンバスに絵を描くように色彩豊かに盛り付けると料理も芸術作品になります。

 百人一首のかるたはお持ち帰りOKでした。車で来たのでノンアルコールのスパークリングワインをいただきました。

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前 菜  水菜と茸のお浸し いくら

      里芋田楽 枝豆 袱紗焼

      栗甘露煮 蓮根煎餅

      サーモン百合根寿司

造 り  鯛のお造り

焼 物  鰆紅葉焼き

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蒸 物  松茸茶碗蒸し

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揚 物  秋刀魚竜田揚げ

      舞茸と青唐の天麩羅    

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甘 味  叶匠壽庵 あも歌留多

 デザートのようかんは最中の皮に紫式部がプリントしてある。食べ方はいろいろあると思うが、私は最中で挟んで食べました。

 紫式部と平安時代の雅を思わせるランチでしたね。

石山寺へ電車で移動

 ホテルから車で移動の予定でしたが、日曜日で天気も良く紅葉シーズン駐車場は満車だろうと予測し大事をとって車はホテルの駐車場に残し、近くの京阪電鉄京阪石山駅まで徒歩移動、そして終点の石山寺駅から石山寺山門まで900m。

 石山寺駅から瀬田川沿いを歩いていくと川に観光船が外車輪を回しながら(たぶんダミー)走っていたり大学の漕艇部のボート思われるボートが岸にあったりと琵琶湖に関連した観光資源がいっぱいあって滋賀県はいい所ですね。

石山寺

 山門には運慶とその長男である湛慶が作成した時代を感じる仁王像が迫力満点です。バランスと表情はさすが名人のなせる技です。

 山門をくぐりしばらく歩くと入場券売り場で石山寺入山セット券1,100円(入山、本堂内陣、豊浄殿拝観)購入。バラで買うより300円お得。

 名前の通り石山寺は硅灰石(けいかいせき)と呼ばれる不純物を含んだ石灰岩やチャートの層に、花崗岩などの火成岩が入り込んだ影響(接触変成作用)によって出来た岩石を景色としてうまく取り込んだお寺です。(写真は本堂から見下ろしたメインの硅灰石)

 うっすらと紅葉も始まりかけていました。もう1週間遅かったらとても綺麗だったんででしょうね。

 本堂の裏山、紅葉が2,000本あるそうで最盛期にはライトアップもあるようです。最盛期の夕方に出直したいくらいです。

 本堂の中は撮影禁止なので写真はないですが、紫式部が源氏物語を書いたとされる部屋が本堂の右手にあり「源氏の間」と呼ばれているようです。

 この部屋は天皇や皇族、高僧など身分の高い人々が使う部屋らしいのですが、当時紫式部はふさわしい身分の高い人だったんでしょうか。

 紫式部は源氏物語を起筆するにあたり1004年に7日間に渡って石山寺に参籠したそうですが、あの大作7日間でかける訳ないので構想を練っただけなんでしょうね。

 パワースポット的な場所でもあり新しい構想を練るには最適な場所だったんでしょう。

 本堂からさらに右手に上ると、多宝塔があります。

 多宝塔は主に真言宗系の寺院で見られ、平面が四角形の初層の上に円形の上層を重ねた四角錐形の屋根を有する二層塔婆。

 お宝がたくさんおいであるから多宝塔と思ったが、過去仏である多宝如来が釈迦の説く法華経の教えを讃嘆し、正しいことを証明して半座を空け、釈迦とともに並んで座ったと説かれることから由来するそうだ。

 全国各地に仏教に由来する建造物や仏像があるが、昔の権力者や金持ちが現代のような公共事業的に建設して経済や文化の発展に寄与したんだろうなと思うわけです。

 今でも観光資源として十分に役目を果たしてますね。

 密教系の真言宗は葬式などで出くわしたことがないのでなじみが少ないですね。

 密教だから表に出ないのでしょうが、僧侶がどんな修行や仕事をしているのか知りたいですね。

 画像編集ソフトで顔がわからないようにジオラマ風にアレンジしたのであしからず。

 さらに、上に行くと豊浄殿があり「石山寺と紫式部展」が開催されておりました。

苔むした庭園と滝行が出来そうな小さな滝があったりと、紅葉の最盛期は美しいだろうなあと思うわけです。

山門の裏側には大きなカエルが大きながま口を開けて寄付を受け付けておりました。

そういえば、賽銭箱はいっぱいあったけど、賽銭は投げてこなかった。QR決済普及で小銭持ってない人が増えたから賽銭の売り上げは減っているんだろうなあ。

施設の修復、維持にはお金もいるだろうし入場料、拝観料を値上げするしかないね。

お寺へのお参りというよりは歴史的資料や綺麗な庭園ミュージアムの観覧ということでしょうか。

平安時代の貴族も似たり寄ったりだったのかもしれません。

気の合った友達と楽しい秋の日帰り旅行でした。

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