80歳の壁

「80歳の壁 (幻冬舎新書) /和田 秀樹」読書レビュー

 長年高齢者の精神疾患を診てきた老年精神医学者がどうしたら幸せな老後を生ききるかというノウハウをわかりやすく解説した本で 2022/3/25第1刷発行から2か月で第10刷発行のベストセラーです。老人用に字が大きく読みやすく半日で読めました。共感できる内容でしたし、80才前からでもさっそく実行したいと思いましたね、以下簡単にまとめてみました・・・

 80才を過ぎると怒涛のように、認知症、がんなどの成人病が襲ってくる。禁酒、運動、ダイエット、検査と早期発見・早期治療で長生きしたい呪縛にかかり、我慢生活で苦しい老後を送ってしまうのが幸せな老後ですかという長生きが大事なのか残りの人生が大事なのかという問題提起です。

 作者の結論は「我慢せずに元気なうちに、楽しんでおきましょうよ。その方が免疫機能も上がり、健康にもいいです」ということです。

80才過ぎたら病気は老化現象

 現在の医療は専門化されていて総合的に人を診れる医師がいないし、検査データ重視で統計的正常値を高齢者に症状がないのに異常値だからと投薬を始める医師には「健康」という視点がないから、不必要な治療で不健康にし寿命を縮めてしまう老人がいる。これは、コロナや夕張市のように財政破綻で病院に行かなくなったことで死者数が減ったという現実が物語っている。

 健康で長生きしたかったら医者の言うことを鵜のみにせず、自分の考え方を受け入れてくれる相性の良いかかりつけ医を見つけ、病気(老化)を治そうとせず受け入れ最小限の薬を不調の時だけ飲むのが良いそうです。血圧の高い人を薬で下げると血液を送れなくなり低酸素、低血糖を引き起こし認知症を進行させることがあるし、コレステロールを下げようとして活力や免疫機能まで下げてがんのリスクを上げることもある。

 医学は不完全なもので今良いとされている治療の常識が10年先には間違ってましたということが少なくない。

長生きの呪縛から逃れて今を楽しく生きましょう

 長生きのための我慢という呪縛から逃れて、食べたいものを食べ、興味のあることをどんどんやって明日死んでも後悔しない生活が結果的に健康で長生きできます

 お金があるなら思い出作りにお金を惜しまず、寝たきりになった時にあの時は楽しかったという思い出を反芻するネタをたくさん作っておくことが幸せな寝たきり生活に必要。

簡単にまとめると、我慢せず面白そうなことをやり、毎日気楽に過ごす。

認知症は老化現象

 認知症になっても医者に行かない方が良い(行動制限されて悪化する)。認知症を遅らせるには、頭を使う、運動するのが最良。

尊厳死(リビングウィル)

「私は自分が納得でき、満足できる人生をまっとうしたいので、薬は飲みません。具合が悪くなったら病院には行くけど、検査はしません。美味しく食べられるうちは、好きなものを食べます。お酒も吞みます。タバコも吸います。私の人生ですしここまで頑張ってきたのですから、私のしたいように生きさせてください。」

たぶん、死ぬときは苦しいとか痛いとか無いから「死」そのものを過剰に恐れる必要はない。

生に執着しすぎは良くないんですね、誰もが老いていつか死んでいく、どう老いて、どう有終の美を飾るか人それぞれです。

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