ブックレビュー「幸福への道」

「幸福への道/岡村靖幸」

 22人のゲストに「あなたにとって幸福とは何ですか?」の対談集。

 インタビュアーはミュージシャン(作曲・編曲・歌手)の岡村靖幸、斉藤和義と岡村和義でユニットを組んでいる。

 ゲストは一流のミュージシャン、文筆家など。その中に伊藤蘭の名前があったので思わず読んでしまいました。

 幸福は人それぞれですが、その道の一流の人の体験談で幸福への道をこんなふうに歩んできたんだと興味深く読ませていただきました。

 欲しくても手にとどかないものを手に入れようと頑張っている時、そして手に入れた時に人は幸せを感じるのでしょうか。

 日本では安心して寝れる場所と食べ物はあたりまえでしょうがウクライナやアフリカ難民はあたりまえではありません。

 そんな他人との差分で自分が幸福であると感じられるというのも現実なような気がします。

 幸福は絶対的なものではなく相対的なもので、幸福をつかんでもさらに別の幸福を求めるという性が人間にはあるような気がします。

 足るを知るということが大事ですね。

 能町みね子、オードリー・タン、ロバート・キャンベル、よしながふみさんなどLGBTぽい人の割合が多いのが気になりました。

ゲスト(職業)幸福とはの順で簡単に紹介します。

①神田伯山(講談師)妻に認められるように頑張ろうと思えること。

②千原ジュニア(芸人)子供の存在を感じること。

③伊藤蘭(俳優、歌手)風のように一瞬感じられるもの。

④能町みね子(エッセイスト)文章を書くこと。

⑤川谷絵音(ミュージシャン)ライブに人がたくさん入ってくれること。

⑥小林麻美(モデル、俳優、歌手)子育てを終えて第2の人生を生きること。

⑦オードリー・タン(IT起業家)信じる仲間たちと生きていくこと。

⑧高村薫(小説家)普通の日々を過すこと。

⑨土井善晴(料理研究家)女性的価値観を持つこと。

⑩ロバート・キャンベル(日本文学者)ただ結婚したこと。(同性婚)

⑪アイリーン・美緒子・スミス(環境活動家)やってきたことが間違っていなかったと思えること。

⑫田中泯(ダンサー)踊ること。

⑬スパークス(ミュージシャン)好きなことをやり続けるパッションを持つこと。

⑭宮嶋茂樹(報道カメラマン)満足いく写真を撮ること。

⑮村田沙耶香(作家)何かを信じること。

⑯ネルケ無方(僧侶)足るを知ること。

⑰ショーン・レノン(音楽家)やって来てはまたどこかへいってしまうもの。

⑱吉川晃司(歌手・俳優)ファンの笑顔を思い浮かべながら一杯飲むこと。

⑲よしながふみ(漫画家)漫画を描いて漫画を読んでおいしいものを食べること。

⑳斉藤和義(ミュージシャン)ロックン・ロールドリームを叶えること。

㉑鈴木おさむ(放送作家)脳内アドレナリンが出る瞬間に感じるもの。

㉒立川談春(落語家)落語をやること。