岐阜県豚熱(豚コレラ・CSF)最新情報

獣医

岐阜県家畜伝染病対応業務専門職として養豚農場での豚熱生ワクチン接種業務に関り2ヶ月経ち現場での大変さを肌で感じ、早期清浄化を切望するところである。

第7回岐阜県CSF有識者会議資料(県ホームページ)が公表されたのでhttps://www.pref.gifu.lg.jp/event-calendar/11450/20200727-7th-csf-meeting.html

県と農場と獣医師が上手くコミュニケーションをとり情報を共有し効率的な防疫対策をして、みんなハッピーになってもらいたい。

私は有識者会議には出席しておりませんが自分なりに現況と課題についてまとめました。

・・・それでは、以下まとめます。( ^ω^)・・・

清浄化への道筋としては

①農場でのワクチンによる免疫確立。

②野生イノシシへの経口ワクチンによる免疫確立の2本柱となる。

1.農場での豚熱(豚コレラ)生ワクチン継続接種の概要

① 肥育豚 ・接種時期 30~60 日齢に接種(各農場において概ね1週間ごとに接種) ・接種頭数 毎月約 10,000 頭

② 繁殖豚等 6 ヵ月以上飼養する豚 ・接種時期 初回接種 6 ケ月後に接種、その後 1 年に 1 回(同一個体には最大4回) ・接種頭数 約 4,700 頭

2020/4/1~7/10までの検査結果(陽性675/821頭)

農場でのワクチンによる免疫付与率

繁殖豚等  96%

肥育豚   70%

計     82%

<農場でのワクチンによる免疫確立課題>

80%以上を維持しているが、ワクチン接種豚から産まれた子豚において、母豚からの移行抗体 の影響により免疫付与率の低下がみられるため、より適切なワクチン接種 時期の検討が必要

今後の対応

(1)追加接種の実施

     〇免疫付与率が 80%に満たない豚舎群に追加接種。

(2)免疫付与率を高めるためのワクチン接種時期の検討

     〇子豚の移行抗体確認調査を踏まえ、 適切なワクチン接種時期を検討                 

移行抗体陽性率 2週齢 100% 、3週齢 85% 、4週齢 100% 、5週齢 94%、6週齢 70%

※私が担当している農場は、子豚37日齢前後だったが次回接種から60日齢での接種にプログラムを変更する予定。

2.野生イノシシへの経口ワクチンによる免疫確立

サーベイランス(ウイルス・抗体調査 CSF浸潤状況)2020年8月7日現在、県 内 でC S F陽 性 判定 と なっ た野 生 いの し し は 、合計 1,2 03 頭( 検 査実 施 3,88 2 頭 )

「調査捕獲」 経口ワクチン散布箇所から、おおむね 2 ㎞以内で実施。

「有害捕獲」 農林水産業等の被害防止を目的として市町村が実施。(主に 4 月~10 月)

「広域捕獲」 県内の狩猟免許所有 者に限定し、狩猟に代わる捕獲として実施。( 11/1~3/15 )

[全域] 昨年秋に抗体付与率が40%を超え、直近(R2.6)では CSF陽性率(PCR+)が3.0%、抗体付与率(PCR-,ELISA+)が71. 5%となるなど、対策の効果が出ていると考えられる。

[岐阜圏域] 昨年夏頃にCSF陽性率の減少と抗体付与率の上昇がみられるが、以降の検査数が少ないため、今後の動向を確認する必要がある。

[西濃圏域] 抗体付与率が上昇している期間が認められるものの、検査数が少ないため、現時点では傾向が判断できない。

西濃CSFの浸潤時期が遅かったため経口ワクチン散布の開始時期が遅かったこと、冬期の散布箇所数が少なかったことから、他圏域に比べ抗体付与率の上昇が遅くなっていると考えられる。

[中濃、東濃]今年に入ってCSF陽性率が10%前後で推移しており、抗体付与率についても60%前後を維持。収束に向けて良い傾向と考えられる。

中濃、東濃圏域は、CSFの浸潤時期が早かったことに加え、経口ワクチンの散布回数が多い。また、農場が多いことから、経口ワクチンの散布密度も高いため、抗体付与率が高くなったと推定される。

[飛騨圏域] 本年4~6月期に急激なCSF陽性率の減少、抗体付与率の上昇がみられるが、今後の推移を注視する必要がある。

飛騨圏域は、CSFの浸潤時期が遅かったため経口ワクチン散布の開始時期が遅かったこと、冬期の散布箇所数が少なかったことから、他圏域に比べ抗体付与率の上昇が遅くなっていると考えられる。

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