「うつ・不安・不眠の薬の減らし方」原井宏明(精神科医)

読書

”この本どうぞご自由にお持ちください”。と置いてあったので、それではと拾って、拾い読みしました。

簡単にまとめると・・・繁盛している精神科の治療はガイドラインの建前とは違う。最初はとりあえず、飲んでもらい副作用が少なく効果がすぐに体感できる薬(ベンゾジアゼピン系抗不安薬、抗ドパミン薬ドグマチール)から処方する。患者は、一度良さを覚えれば手放せなくなり、またいつものお薬くださいとなり、お客さん(患者)が増え効率的に稼げる。こんなビジネスモデルを批判し、認知行動療法でうつ病の原因を治療しましょうということでしょうか。

本の中でうつ病の治療薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の行動薬理学的試験の効果が紹介されている。これが強制水泳試験という残酷な試験なのである。

「水を入れたコップにマウスをいれいつまで泳ぎ続けるか、いつ諦めて沈んでしまうか測定する試験」をすると、抗うつ薬を飲んだマウスは泳ぐ時間が長くなるのだそうだ。

なるほど、人間に当てはめると、複数のストレスで脳の機能不全に陥っているうつ患者に抗うつ薬を飲ませて少しでも長く仕事をさせようとしている。残酷な社会ですな!

うつ再発率(前向きコホート研究、Kanai,Takeuchi)

半年後88%寛解 1年後37%再発/2年後10%/再発/6年後再発7%/6年後再発しない確率34%

やっぱり薬では治らない。精神的に追い込むような上司のもとでうつになるくらいなら、仕事を止め見栄やプライド捨てて好きなことで生きていく方がましなんじゃないでしょうか。

他の本で読んだ知識ですが、薬よりも、禁酒・早起き・運動の方が効果があるそうです。

それで治らなかったら治すのを諦める。苦労や苦痛から逃れようとする気持がうつ病にさせるのだから、そのときうつ病が治るかも。

日本うつ病学会治療ガイドライン

① 複数のストレスになる出来事が生じている (Kendler et al, 1998)時に、周りのサポートを十分 受けられない環境(Wang, 2004)が重なる。

② さらに、十分な睡眠が取れず、脳の機能回復が不十 分になる(Gillin, 1998)。

③ 脳は出来事を処理しきれず、機能不全が起きる。

④ 脳の機能不全は否定的な見方(物事の否定的側面ば かりを見てしまう)を引き起こす(Hirano et al, 2002)。

⑤ 否定的な見方によって、「周囲のサポートを過小評 価」して、一人で問題を抱え込んでしまう。同時に、「負 荷を過大評価」して、普段なら気にならなかったこと まで「とても大変だ」と感じて、実際以上にストレスと 感じる出来事が増えてしまう。さらに、不安が生じて、 睡眠が取れなくなる。 以上の結果、「悪循環が形成されてしまうのがうつ病 である」

■全例に行うべき基礎的介入 ・患者背景、病態の理解に努め、支持的精神療法と心 理教育を行う

■基礎的介入に加えて、必要に応じて選択される推奨 治療 ・新規抗うつ薬 ・認知行動療法 https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/20190724.pdf

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