皮膚というバリア

皮膚のバリア

基底膜が表皮の足場でその上に有棘層、顆粒層、角質と上皮細胞が角化していく。その表皮の厚さは0.2mmサランラップ2枚くらいの厚さで角質は15層くらいの細胞で守られている。

セロハンテープで20回くらい角化細胞をはがしていくと表皮が全部とれてしまう計算になる。

 この表皮には、血管は走っていない。マクロファージの一種ランゲルハンス細胞、樹状細胞が異物侵入をパトロールしている。角化した表皮(角層20μ)は、皮脂腺(アポクリン腺)から分泌されたトリグリセリドを皮膚常在細菌の出す酵素でグリセリンと脂肪酸に分解されグリセリンはグリセリンの皮脂膜を作り皮膚からの水分蒸発を防ぎ脂肪酸は皮膚を弱酸性にして細菌増殖を防いでいる。汗はエクリン腺、全身に汗をかくのは人と馬で犬猫は汗をかかない。歳をとって買い物袋が滑って開けないのはエクリン腺が老化で汗をかけなくなったせいらしい。

 角質細胞には、フィラグリンというアミノ酸が天然保湿因子として働き、細胞間にはセラミドという細胞の隙間をふさいでくれさらにタイトジャンクションという細胞を4個貫通して縫い合わせ密着させているという。これら物理的なバリア機能が外界の異物や外敵から体を守り水分の蒸発を防いでいてくれる。

 基底膜の下真皮には血管、リンパ管、線維芽細胞、強度を保つコラーゲン、弾力性を保つエラスチン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸が分布するほか免疫に関係するB細胞、T細胞が勢ぞろいして、皮膚の強度と免疫バリアを作っている。

 皮下組織の脂肪層はクッションの役割、保温の役割を担っている。

 アレルゲンから身を守るためには、この皮膚バリア機能を正常に保つことが重要なことがわかる。薬でアトピー皮膚炎のかゆみを治すためには、まずスキンケアで角質を守ることが大事なわけである。

 皮膚を洗いすぎて、角質をはがしてもいけないし、良い皮膚常在菌を保つことも大事だし、皮脂膜で水分を保持するのも大事なんですね。

 皮脂腺の多いところは、石鹸で洗う必要があるかもしれませんがそうでないところは洗いすぎないようにした方が良さそうです。洗った後は保湿剤の尿素とかワセリンとか塗っておいた方が良さそうです。・・・ホホバ・オイルをポチってしまいました。

ホホバオイル(Jojoba oil)、ホホバ油は、ホホバ(Simmondsia chinensis)の種子を原料とする植物油。ワックスエステルが豊富で安定性が高い。軟膏、クリーム、化粧品や医療に用いられる。皮膚や髪の保湿、日焼け止めや抗老化成分への添加、医療成分や抗菌成分の皮膚からの送達に使われている。

自分の脂漏性湿疹の皮膚につけてみたら改善を実感してます。

犬用のホホバオイルも売っていた。

参考までに、ホホバオイルは犬のアトピーに本当に効く?愛犬の皮膚ケア完全ガイド

読書

前の記事

皮膚のふしぎ/椛島健治New!!
獣医

次の記事

僧帽弁閉鎖不全New!!