円盤式レコード

レコードの歴史

 スマホやパソコンでいつでも手軽に楽しめる時代になったが、僕らの青春時代は、貸しレコード屋さんでレコードを借りてカセットテープに録音してラジカセで聴くというのが当たり前であった。たまに貯めた小遣いで二千円から三千円くらいのレコードを買ってコレクションもあったが、CDが主流になるといつの間にか散逸し、プレーヤも壊れて聴けなくなってしまった。

 そんなレコードが最近見直されている。2017年の日本国内におけるアナログレコードの生産枚数は106万枚、販売金額は19億円となり、2001年以来16年ぶりとなる100万枚超えをている。

 レコードのいいところは、手間がかかるところとジャケットやライナーのグラフィックを楽しめるところではないかと思う。アルバムの中で聴きたい曲だけを聴くということは多分やらない。A面、B面好き嫌いせずジャケットやライナーを眺めながら順番に聞く。アーティストのアルバムの意図、その時代の背景を流行を分析しながら聴いている。そして、そのアーティスト達も死んでしまっていたり高齢でも現役で頑張っていたりとその軌跡をネットで調べてみたりして、いろんな人生があるんだなとか才能がある人はやっぱり違うなとか感慨に耽るのも楽しい。

 エジソンが 円筒形の蓄音器を発明したのが1877年、その後円盤式のレコードに改良され記録面に対し針が振動する向きを、従来の垂直から水平に変更され音溝の深さが一定になり、その後も改良がされてが向上した。

レコードの作り方

  1. 音を、アルミニウム板にラッカーコーティングした「ダブ・プレート」にダイヤモンド針やサファイア針のカッティングマシンで刻み付け、原盤「ラッカー」(lacquer) を作る。
  2. 「ラッカー」そのままでは耐久性に乏しいので、表面に銀鏡反応で銀めっきを施し、その上に更に電解ニッケルめっきを、厚く施した上で剥離する。こうして出来た凸型のニッケル盤が「メタルマスタ」(metal master) で、これが保存用のマスターディスクになる。
  3. 「メタルマスタ」に厚い銅メッキを施し、剥がすと凹型の「マザー」(mother) ができる。これは生産用のマスターディスクになる。
  4. 「マザー」にニッケルやクロムで厚いメッキを施し剥がし、凸型の「スタンパ」(stamper) を作る。
  5. 「スタンパ」を用いて上記のプレスを行うことでレコード(凹型の溝)が完成する。スタンパは消耗品で、使い潰したら「マザー」からまた新しいスタンパを作る。ここで4.の工程が行なわれる。
  6. プレスしたそのままではビニライトがはみ出しており円形ではないので周囲を裁断、整形する。

 現在のLPレコードは1950年から発売されているが、1980年デジタル化されたCDが開発されて音質の劣化がなく扱いやすかったためレコードは廃れていった。そのCDも今では、ネット配信が主流になりCDも廃れて、車にCDプレーヤを見かけることはなくなり家にCDプレーヤがあるのが珍しくなった。

 レコードの良いところはCDよりも自然の音を出せる。音をそのままレコードに録音している。できるからです。CDは人間の聞ける範囲の周波数の音を4万4千回/秒に分割しデータとして録音しているし人の可聴範囲を超えているものはカットされているからどう頑張っても本来の音ではなくなってしまうがレコードの場合、人に聞こえない周波数の音までも、そのままレコードに記録するため、自然な音、心地よい音に聞こえる。

レコードに針を落とした時の音や、傷や埃の突然のノイズや同じところトレースして進まない、それはそれで味わいがあって面白いもんです。