免疫介在性溶血性貧血
赤血球膜表面の抗原に対する自己抗体でマクロファージが赤血球を破壊して貧血となる免疫異常が原因の貧血症です。
死亡率も高い病気なので早期発見、早期診断と治療が大事ですね。
治療の開始後,または退院後,10~14日以上生存した犬では生存期間が長くなるそうです(免疫介在性溶血性貧血の70症例 1988~1996)。
免疫異常の原因の原因として
①特発性 原因不明(60-75%)
②続発性 感染,毒素,薬,寄生虫, 腫瘍, ワクチン接種, その他の疾病
臨床病理所見として
貧血、溶血、高ビリルビン血症、血色素尿、直接クームス試験(+)
治療は、免疫異常なのでプレドニゾロンなどによる免疫抑制、輸血などの対症療法で長期に治療が必要となる場合もあります。
ガイドラインとしては、プレドニゾロン2mg/kg/BID(免疫抑制量)1週間投与後効果あれば(Ht30%以上)3週間ごとに25%減量、効果なければシクロスポリン併用5mg/kg/BID,PO(免疫抑制剤併用は1剤まで)
改善なければ投与量、薬剤の変更を検討。
プレドニン以外にファモチジン、オメプラゾール、アスピリン(合併症の血栓症の予防)
