結膜炎と強膜炎


結膜炎
球結膜と眼瞼結膜


結膜充血
結膜の血管のうっ血によっておこる結膜の発赤。鮮紅色で角膜から遠ざかるにつれて強くなる。充血した血管を個々に明朗リできる。
球結膜とともに動く点で毛様充血と鑑別される。結膜炎、角膜の炎症などでみられる
球結膜の血管は、表層と深層に分布する

毛様充血
角膜輪部深層の血管洲織することによる結膜の充血。強膜性の充血で租潔色を示す。
結膜充血と異なり、うっ血した血管を直接見ることはできない。角膜の炎症、ブドウ膜炎、うっ血恒緑内障などで、みられる。

細菌性結膜炎
細菌性結膜炎は、膿性眼脂を特徴とする。
感染のきっかけとして、外傷、異物、 KCSなどがある。
黄色ブドウ球菌 39% 洗眼、ニューキノロン系+非ステロイド消炎剤
連鎖球菌 25%
緑膿菌菌9.4% 角膜が溶けてくる。洗眼、ゲンタマイシン、トブラシン+パピテイン+自己血清
※ゲンタマイシン2週間以上で内皮細胞に取り込まれ混濁の可能性
大腸菌4.7%
コリネパクテリウム3.9%
バシラスセレウス2.4%
エリザベスカラー装着
強膜炎 (scleritis)
強膜炎は、良性、無菌性、増殖性炎症である。犬の強膜炎は見過ごされていることが多い。
角膜輪部に白濁(病巣に隣接する角膜輪部は白濁する)、炎症があれば胸膜炎を疑う。


強膜炎の治療
- 1%酢酸プレドニゾロン点眼薬を1日3~4回点眼し、病状の改善とともに徐々に点眼回数を減らす。約数週間から1~2ヶ月で、病巣は消退する
- 2%トリアムシノロンを結膜下に注射し、以後1%酢酸プレドニゾロン点眼で早い治癒を得ている。
- 点眼で効果が得られなければ、プレドニゾロンやアザチオプリンの内服を行う。
- ※予後は良好であるが、再発を繰り返すものもある。
結膜下に注射
ベノキシール点眼麻酔、包帯で口輪
0.2~0.5ml 27Gインスリン注射器で結膜を引っかけるように12時結膜下注射(トリアムシノロン、ベタメタゾン、
犬の強膜炎は、病巣が浅い位置にある上強膜炎と深い位置に起る強膜炎とがある
上強膜炎は原発性と続発性とに分かれる。
原発性の多くは結節性肉芽腫性上強膜炎である。
続発性上強膜炎は全眼球炎、慢性緑内障など重度の限障害に続発する
強膜の炎症は隣接する前部ブドウ膜炎を起こす。