ブックレビュー「田中角栄名語録/小林吉弥」

 学歴はないけど、人情と努力と明晰な頭脳で総理大臣になって日本の高度経済成長を支えた田中角栄の人生のヒントと知恵約60話を政治評論家がまとめた本。

 政治家としては増収贈賄事件で失速し晩年に脳卒中で倒れてしまったがもとはいい人なんだなあと思いました。

 田中角栄処世訓の私のベスト10

  • 「駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草履を作る人」ということだ。社会は下で支える人で成り立っている。
  • 人間はやっぱり出来損ないだ。神様みたいな人は少ない。皆、失敗はする。その出来損ないの人間を愛せるかどうか。
  • 失敗は出来るだけした方がいい。骨身に沁みる。人を見る目ができてくる。
  • 自分の言葉で話すことだ。借りものは一発で見抜かれる。世間は甘くない。
  • 人間関係はすべて「心理戦争」成り立っていることを知れ。
  • 些細な約束こそ守れ。信用を得る第一歩だ。人脈につながる。
  • リーダーも誤りはある。素直に謝った方がいい。そのうえで約束は果たすことだ。
  • 私が大切にしているのは、何より人との接し方だ、戦術、戦略ではない。会って話していて安心感があるとか、自分のためになるとか、そんなことが人と人を結びつけると思っている。
  • 大事なのは経験則だ。田んぼに入ったこともないものがコメのことがわかるわけがない。リーダーに不可欠なのは現場指揮能力。
  • 世の中は白と黒ばかりではない。敵と味方ばかりではない。そのあいだにある中間地帯グレーゾーンが一番広い。真理は常に中間にありだ。