私たちは子どもに何ができるのか/ポール・タフ

IQや学力を表す認知能力に対して非認知能力(Soft Skill)は粘り強さ、誠実さ、自制心、楽観主義を指す。この非認知能力が高い子は高学歴、高収入になる確率が高く低い子は貧困に陥るエビデンスがある。非認知能力を高めるためには幼少期発達期の家族・社会とのコミュニケーションが重要になる。貧困、片親、周囲からの援助を受けられないなど子育てに余裕がない家庭環境のストレスから非認知能力の発達が遅れ、貧困が連鎖し格差がさらに拡がる。子供の非認知能力を高める研究されているが成果が出るまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。自分が子供の頃は、爺ちゃんや婆ちゃんがいる家庭が多く父ちゃん母ちゃんが忙しくても婆ちゃんとコミュニケーションとれてたりしてたが、今は核家族、シングル家族が増えて、子供の遊び相手がゲームだったりで非認知能力を育てる環境が貧しいのではないかと感じる。まずは、孫の遊び相手をして非認知能力が高まるよう努力しよう。
参考図書:私たちは子どもに何ができるのか(ポール・タフ・・この本の日本語版前書きは良かったが翻訳がいまいちで読みづらかった。)
幼少期の家庭環境、非認知能力が学歴、雇用形態、賃金に与える影響/戸田 淳仁、久米 功一(リクルートワークス研究所)鶴 光太郎(慶應義塾大学・経済産業研究所)
要 旨
本稿では、海外の研究で注目されてきた幼少期の家庭環境や非認知能力が、学歴、雇用形態、賃金といった労働市場における成果にどのような影響を与えているか検証した。幼少期の家庭環境について、学歴に対しては諸々の家庭環境が有意に影響を与えるが、就業以降は家庭環境の影響が弱まるが、賃金に対しては蔵書の多い家庭で育った人ほど賃金が高くなる影響がみられる。また、非認知能力について、勤勉性を表す高校時の無遅刻については、学歴、初職及び現職の雇用形態については正の影響がみられる。内向性を示すと考えられる室内遊び(15歳時点)については学歴には正の影響を与えるものの、現職雇用形態には負の影響を与えている。さらに、中学時代に運動系クラブ、生徒会に所属したことのある者の賃金が高まる効果がみられた。就業以降の人生においては、学歴においても重要な認知能力、勤勉性以外に、外向性が重要であり、加えて協調性やリーダーシップを養うとみられる特定の部活動を通じた経験が併せて将来の労働市場での成功に関係しているとみられる。

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